晴読雨読

暇すぎるから日記始めました

禁色 三島由紀夫

少なくともここ一世紀、人間は欲望によって行動することを忘れております。相手を薪ざっぽうだと思いなさい。

 
風呂に入るときに腕時計を外して入るように、女に向かうときは精神を外していないと、忽ち錆びて使いものにならなくなりますよ。
 
罪悪を火で焼き滅ぼす困難を諦めた神が、おそらく罪悪と火とを等分に配分したのだ。おかげで罪は決して火に焼かれず、無辜は火に焼かれる蓋然性を負うのとになった。
 
彼女は自分が死ぬためには、すでに死についてあまりに多く考えすぎたことを感じていた。こう感じだした時、人は死を免かれる。というのは、自殺はどんな交渉なそれも低級なそれも、思考それ自体の自殺行為であり、およそ考えすぎなかった自殺というものは存在しない。
 
精妙な悪は、粗雑な善よりも、美しいから道徳的なのです。
 
最初の康子の印象は、老人を弄び軽蔑する悪女って感じだった。でも悠一と結婚すると純粋な聖女のようになり、悠一の悪徳を知ると絶望と諦念の永遠世界に足を踏み入れた女性のイメージになる。鏑木夫人を誘惑する悠一、その旦那の伯爵とも関係をもつ悠一。ある美少年との関係で性癖を暴露される悠一。それを、不幸に落としたはずに鏑木夫人に救われる悠一。行為と表現を同時に行うのは自殺。行為は生だけど死ぬから表現なのね。他には?
 
美は到達できない此岸。美は自然で自然は醜を拒絶する。醜は精神をもつことで生き延びる。檜俊輔は自殺して遺産を悠一に残す。いいなあ1000万円。。。美は人生をはかどらせるの?