えっ地方でも消耗してるの?

東京どころじゃないんだよ!

中国行きのスロウ・ボート 村上春樹

中国行きのスロウ・ボート

小学生時代に行った試験会場は中国人小学校だった。試験官の中国人は日中の有効を語った。後の彼の彼女もその試験会場だった。語り手の思い出には、アルバイトで同じになった中国人の女の子が出てくる。二人は楽しくデートをするけど帰りに彼は間違えて逆回りの電車で帰してしまう。中国人相手に百科事典を売る高校時代の同級生と再会。
 
貧乏な叔母さんの話
小説家の僕が、妻に貧乏な叔母さんの話を書きたいと言った。そうしたら、僕の背後に貧乏な叔母さんがとりついて、それは見る人の母だったり食道がんで死んだ土佐犬だったりして、僕はテレビに出たりと日常が変わる。そして友達も去っていった。そして貧乏な叔母さんもいつの間にかどこかに消えた。
 
ニューヨーク炭鉱の悲劇
嵐の日に動物園に行く人の話。その年僕の友人が沢山死んだ。21歳は詩人、24歳は革命家とロックンローラーが死ぬ年齢。
 
カンガルー通信
写実的なクレームの手紙を受け取った担当者が個人的に手紙をテープに吹き込んで送りつける。べらべらべらべら
 
午後の最後の芝生
芝刈りのバイトおれもやりたい!アル中のおばちゃん怖い!
 
土の中の彼女の小さな犬
オフシーズンのリゾートに滞在して、犬が死んだ女の人の昔話を聴く。小説家の能力として観察力洞察力。
 
シドニーのグリーンストリート
シドニーなのに漢字と平仮名の概念が登場するし、千円札も登場する。カオス。羊をめぐる冒険の羊男と羊博士が出てきて、羊博士は羊男を憎んでいる。ちゃーりーによれば、羊博士が羊男になりたいという願望憎悪だったのだ。ん?む?

禁色 三島由紀夫

少なくともここ一世紀、人間は欲望によって行動することを忘れております。相手を薪ざっぽうだと思いなさい。

 
風呂に入るときに腕時計を外して入るように、女に向かうときは精神を外していないと、忽ち錆びて使いものにならなくなりますよ。
 
罪悪を火で焼き滅ぼす困難を諦めた神が、おそらく罪悪と火とを等分に配分したのだ。おかげで罪は決して火に焼かれず、無辜は火に焼かれる蓋然性を負うのとになった。
 
彼女は自分が死ぬためには、すでに死についてあまりに多く考えすぎたことを感じていた。こう感じだした時、人は死を免かれる。というのは、自殺はどんな交渉なそれも低級なそれも、思考それ自体の自殺行為であり、およそ考えすぎなかった自殺というものは存在しない。
 
精妙な悪は、粗雑な善よりも、美しいから道徳的なのです。
 
最初の康子の印象は、老人を弄び軽蔑する悪女って感じだった。でも悠一と結婚すると純粋な聖女のようになり、悠一の悪徳を知ると絶望と諦念の永遠世界に足を踏み入れた女性のイメージになる。鏑木夫人を誘惑する悠一、その旦那の伯爵とも関係をもつ悠一。ある美少年との関係で性癖を暴露される悠一。それを、不幸に落としたはずに鏑木夫人に救われる悠一。行為と表現を同時に行うのは自殺。行為は生だけど死ぬから表現なのね。他には?
 
美は到達できない此岸。美は自然で自然は醜を拒絶する。醜は精神をもつことで生き延びる。檜俊輔は自殺して遺産を悠一に残す。いいなあ1000万円。。。美は人生をはかどらせるの?

海流のなかの島々 ヘミングウェイ

羊飼い病

羊飼いが長期間山にこもり、世間から隔絶された生活を送るため、孤独のあまり羊と性交にふけり、あげく発狂するという伝説があった。
 
成功した画家の優雅な日々。息子たちが遊びに来て、トローリングしたり、サメを撃退したり、するんだけど事故で死んだという電報が来る。かなしい。そして猫の話が突然はじまる。ハドソンの若い頃の話かな?エロい。

白鯨 メルヴィル

忠誠なるブリトン人らよ、諸君の王、女王の戴冠式の油を供給するものはわれらの鯨捕りだということを忘れるな。

 
乳房をもって授乳する雌をば刺し貫くPenis
 
この世はすべて踊り場なんだろうから、そうして踊りまわってりゃええさ。
 
 
マッコウクジラとせみ鯨の違い。クジラからとれる油の香り。クジラの群れにはハーレム型と男塾型がある。クジラの豆知識満載。モービーディックは伝聞で描写され、怪物性が増していく。海賊に追われながらもクジラを追うところが狂気。
 
海は、彼の有限の肉体を、なぶりものにしながら保存したが、彼の無限の霊魂をば溺死させた。
 
しかし、弱者に対しては思いやり深くもその全生涯に薄めてくばられる軽微な苦痛の全量を、超人的な連中は、瞬間のうちの深刻な苦患に凝縮させるものだ。
 
あらすじ
イシュマエル君がクジラを研究するために捕鯨船にのりこんだ。しかしそのピークォド号のエイハブ船長の片足はなく、それを奪った白鯨モービーディックを復習するための捕鯨だったのだ。物語とは別に展開されるクジラの学術的解説が丁寧でかつ軽快なユーモアと切れ味抜群の文体で死闘がくりひろげられる。
 
上中下とあったから読むのに一週間くらいかかった・・・

羊をめぐる冒険 村上春樹

裏社会を操る右翼の大物は、脳の血瘤によって死にかけていて、その血瘤の発生と同時に才能を開花させる代償として、特殊な羊の幻覚を見るようになる。彼はその羊を自分のシンボルとして、ライターのマークにしたり、その羊を探してあらゆる広告を見ているようだ。そしてついに僕の作った広告にその羊が乗っていて、僕の会社を潰さないためには、その羊を探さなければならないことになる。

 
ちなみにその羊の写真は、放浪の旅をする鼠の手紙に同封されていたものだった。
 
毎晩神様に電話するクリスチャンの運転手
 
彼女のカンで泊まったいるかホテル。なんとその支配人の父は羊博士で、僕が追う羊の謎を知っていたのだ。
生まれついての貧しさが彼らの武器だった。
 
敷き詰められ張り巡らされたリアリティの中を破壊しながら現れる羊男にはビビった。

蝶々と戦車 何を見ても何かを思い出す ヘミングウェイ

なんかいいよね

 

チコーテという居酒屋での話とか

 

ニック・アダムス物語ってヘミングウェイの回想録なのね。偉大な作家は自分のことしか書かないのかね?

 

トローリング